悩んでいる女性

HIV(エイズ)の不治の病?完治はするのか

HIV(エイズ)を理解するためには、その発症メカニズムを知ることが重要です。
そもそもエイズは発症した状態のことを指し、その発症原因となるのがHIVと呼ばれるウイルスであり、つまりHIVに感染することによってエイズを発症するという病気になります。

HIVはHuman Immuno deficiency Virusの頭文字を取ったもので日本語ではヒト免疫不全ウイルスと呼ばれ、その名の通り生命体が生きていく上で欠かせない免疫作用を阻害する働きをするものです。
この仕組みとしては、免疫を司る重要なTリンパ球やマクロファージ(CD4陽性細胞)などに感染して破壊するものであり、これらが体内から経ることにより免疫力が低下し、さまざまな症状を発症させます。
この発症した状態がエイズになります。

エイズはAcquired Immuno-Deficiency Syndromeの頭文字をとりAIDSと英語で書き、日本語は後天性免疫不全症候群と訳されます。
このエイズは代表的な23の疾患がHIVによって引き起こされた状態のことです。

発見当初は有効な治療法がなかったこともあり、HIVに感染するとエイズを発症してしまう不治の病でしたが、現代ではHIVの増殖を抑える薬が登場したことによって、コントロール可能な病気になっています。
ただしHIVを完全に体内から排除する医療技術は開発されておらず、このためHIVに感染するとその多くがHIV感染者として人生を歩むことになります。
ただ薬によって感染者の寿命は延びており完治こそできないもののすぐに死に直結する病気ではなくなっているものです。

一方でHIVは精液、膣分泌液に多く含まれ感染者との性行為のほか血液や母乳などにウイルスが含まれそれらが傷口や口腔内や腸などの粘膜などから侵入することで起こります。
もっとも多い感染理由は性行為ですが、とりわけアナルセックスでは腸からの吸収が行われるため医療事故を除けばもっとも感染率が高いものです。
ウイルス自体の感染率は輸血といった直接的なでない場合には高くても0.7%程度でコンドームで感染をある程度は防ぐことが可能ですが万全とは言い切れません。
特に口腔内からも感染するため注意が必要です。

HIV薬の種類はどんなのあるの?

HIVに感染し患者となってしまった場合には投薬によって治療を行います。
このさいに使われる薬が抗HIV薬ですが、おおまかにわけると「核酸系逆転写酵素阻害薬」「非核酸系逆転酵素阻害薬」「プロテアーゼ阻害薬」「インテグラーゼ阻害薬」「CCR5阻害薬」があります。
いずれも作用としてはHIVが増殖するために必要なDNAを感染した細胞内で転写するのを阻害するというもので、これによってウイルスが増えるのを防ぐものです。
HIV患者ではこれらを3剤以上組み合わせて服用して体内のHIVの増殖を抑えることにより、その数を減らしていくというものになります。
今まではこれらをバラバラに服用していましたが近年は複数の阻害薬を1錠にまとめたものもあり患者の負担を軽減したものも登場しています。

これらを1日1回服用し続け1ヶ月に1度の通院で検査を行いCD4陽性細胞の数を調べて薬の効果を見ていき、効果が認められない場合には薬を変更するなどして対応することになります。
検査で検出限界以下になるとエイズの発症はひとまずは回避されたことになりますが、残念ながらこれは完治した状態ではありません。
このため検出できない状態であっても体内にHIVは存在していることが考えられ抗HIV薬は飲み続ける必要があります。

このため糖尿病などの薬と同じで飲み続ける必要があり、また途中で中止するとその薬が効かなくなるリスクがありますから注意が必要です。
ただ薬が効果的に作用すればHIVの数を抑制することができ普通の人とまったく同じ生活ができ、寿命も一般の人と変わらないものになっています。
しかし残りの一生を薬を飲み続ける必要がありますから、人生に与える影響は現在も変わりない病気です。